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 眠れないってどういうこと?
 眠る力が衰えるって老化の始まり?
 ○加齢と睡眠時間の変化
    


年をとっていくにつれて、肉体が老化し衰えていくように、
睡眠もまた質が変わっていきます。眠りが浅くなり、
夜中に目覚めることも珍しくはありません。
でも、だからといって病気を心配するのは早計です。

加齢と睡眠時間の変化人間の睡眠は加齢とともに変化する。
1日の睡眠時間は、新生児が一番長く、 その後は年をとるにしたがい、
短くなっていく。
睡眠の質も加齢とともに悪くなっていくといえる。
脳を休息させるノンレム睡眠が年とともに減っていき、
老年者の睡眠への不満と重なってくる。

深い方の睡眠から徐々に減っていく

年齢を重ねるにつれて、肉体は次第に老化していきます。
たとえば、筋肉が老化してくると、以前のように
重いものを持ったり速く走ることができなくなってきます。
脳が老化すると物覚えが悪くなったり、
忘れっぽくなったりという現象があらわれてきます。
同様に、老化は肉体だけでなく、私たちの睡眠にも
少なからぬ影響を与えるようになります。
近頃は、よく眠れない、眠っていても夜中に目がさめてしまうといった
睡眠障害を持つ人が少なくありません。しかし、中高年の人の場合、
それらの原因は、夜型の生活をする人が多くなったことや
深夜でもオープンしている店が多くなってきたといった現象だけにあるのでなく、
加齢によって睡眠そのものの質が変わってきたことが要因になっていることも
見逃せません。

40歳代以降になると、睡眠の質が変わってくると説明するのは、
代々木睡眠クリニック院長の井上雄一先生です。
「中高年になると、眠りは深い方から減っていきます。
睡眠にはひとつのレム睡眠と、4つのノンレム睡眠からなる5種類があります。
ノンレム睡眠はステージ1(S1)からステージ4(S4)へ、
だんだん深くなっていきます。
中高年者は、いちばん深い眠りのS4が減り、次にS3が減るというように、
睡眠の質が変わってくるのです」
 井上先生によれば、深い方の睡眠から少なくなっていく現象は誰にも訪れるもので、
避けられないといいます。現在、日本では5人に1人が
何らかの睡眠トラブルを抱えているといいますが、その割合は高齢になるほど、
必然的に高くなっていくのでしょうか。


睡眠障害が増えるのはむしろ高齢になってから

けれども、実際にはそれほど心配することはなさそうです。
「たしかに深い方の睡眠は減少します。けれども、S2程度のノンレム睡眠は
比較的安定しており、疲労回復効果もあるのです」
深い睡眠が減ったからといって、かならずしも不眠などの
睡眠障害が増えるわけではないのです。
「たしかに老化の傾向は40代から見られます。けれども決定的に
睡眠障害が増えるのは 歳以上の高齢者になってからです。
生理的に睡眠の質が浅くなって分断されやすくなる。
そのうえに、老人特有の体の不調、たとえば腰の痛みなどが重なると、
不眠になりやすいのです」
老人の場合、さまざまな心理的ストレスや、寝室の環境が変わることによっても
睡眠障害を起こしやすいといいます。
しかし中高年になって、このごろ若い時のように長く眠れなくなったとか、
夜中に何度も目覚めるようになったと感じるようになったとしても、
それは誰にでもある当たり前のことなのです。
また、季節による日照時間の長さによっても睡眠は変化します。
夜が短い夏は睡眠時間も少しずつ短くなり、秋になって夜が長くなってくると
睡眠時間も長くなってくるのです。
これは人間の体に内蔵されている体内リズムによるものです。
人間の体は、朝になって日の光を感じると朝だと認識し、
徐々に体温を上げていきます。
そうやって体の状態を日中の活動に適したものにするのです。
そして夜になると、体内や脳の温度を少しずつ下げていき、
自然に眠りに入る準備をするのです。
要は、その人なりに体が眠る準備を整えられればよいのであって、
睡眠にかくあるべしという形はありません。
眠気のために日中困ったことにでもならないかぎり、
あまり気にすることはないのです。


井上雄一先生
(いのうえゆういち)

(財団法人)神経研究所附属睡眠学センター代々木睡眠クリニック院長。
医学博士。1982年東京医科大学医学部卒。
92年、鳥取大学医学部付属病院講師、
99年順天堂大学医学部精神医学講師を経て
03年より代々木睡眠クリニック院長を務める。
日本睡眠学会認定医として不眠治療にあたる。



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