ヘンプの茶室に「茶の卓」を発表

古くて新しい茶の提案 by 浦 一也氏・晶子ご夫妻


IPEC-2009で発表の「茶の卓」  於)東京ビッグサイト

茶室ー茶の卓

  企画デザイン
  浦一也日建スペースデザイン) 浦晶子(スタジオAS)
 

茶を椅座で喫する・・・・
 畳が住生活から少なくなって正座をする機会がますますなくなっていく現代。茶事が積極的に椅座で行われるために、新たな考えの「卓」を提案します。
 それは、どこでも最小のスペースがあれば茶席になるものであり、流派を問うものでもありません。
 「茶の卓」は茶を点てる盤と茶を喫する机が一体となったもので、二畳に納まる1650×1350(高さ540)o、椅子となる円椅の高さは380oとし、畳に正座したような感覚となります。
 炉は隅炉に近く、丸炉としました。
 また大きな無垢の一枚板は高価なものになってしまいましたが、枝の間伐材は捨てられているという実情があります。これを一枚に集成し、この「茶の卓」の天板としています。



大麻(ヘンプ)で出来上がった茶室

ヘンプの茶室

茶会

ヘンプの茶室

 

「茶」はコミュニケーションの根源。
しかし、現代を生きる我々にとって遠いものとなってしまった。
明治の立礼茶席の考案は外国人対応であったが、その後大きな発展をみていない。
そこで茶の心にシンプルに立ち返り、我々の生活様式の中で手の届く茶席の在り方を「茶の卓」の提案を通して捉え、一案を新に提示したい。

住宅から畳が少なくなった現代、我々が畳に正座しなくても茶をいただける席がほしい。しかし従来の立礼茶席はしつらいがよく出来ていないと感じる。そこで本提案は、最小の二畳の小間とし、点茶盤と喫架を合体させた高さ540mmの「茶の卓」を設計し、座敷に座ったような感覚の新しい道具の世界を提示したい。

京間二畳の茶室空間、本勝手隅炉は妙喜庵待庵に近い。千利休が秀吉の命で山崎に造営したとも、利休の邸内から移築されたとも言われる究極の茶室である。茶を点て喫するリミット空間で茶事ができることを証明したかったというべきかも知れない。

茶室的な空間、「茶の卓」を覆う茶室空間づくりに菊屋の蚊帳が 採用された。材質は縦糸・横糸ともに大麻(ヘンプ) 100%のカラミ織の蚊帳生地

かつて、秀吉が千利休につくらせた黄金の茶室は解体 して持ち運ぶことが出来るように設計されていて秀吉 の俗悪趣味として批判されることが多いが、草庵の法 に従って三畳の小間であり、洗練された機能性を伴っ たものである。また、その黄金の茶室の壁材には換気 性がありながら断熱効果の高い大麻(ヘンプ)が用い られ、利休の茶の一面が示しだされていた。

マンションのリビングなどの部屋の中にもう一つの茶室をつくるという考え方、組立てや移動が簡単に出来るという考え方、そして透過して呼吸しているような、閉じてもいるような効果を目指したものとして、大麻(ヘンプ)100%のカラミ織の蚊帳生地が採用された。

浦夫妻の「茶の卓」を覆うヘンプの茶室は招かれた客人にも、地球にもやさしい和のおもてなしの空間だといえましょう。

普段、訪ねてこられる仲の良い友人のためにもこのヘンプの茶室に「茶の卓」を据え置いて、簡単に立礼の茶会が開かれることが期待される。



  ヘンプの蚊帳へ