毎日新聞 8月16日(金) 夕刊 第一面
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昭和40年代にひとたび廃れた「蚊帳」が復活の兆しを見せている。 本来の蚊避けでなく、クーラーの風を和らげる役割やインテリアとし て注目されているのだ。 一方で温暖化の結果、都会の蚊が増えていると言われる。厳しい 残暑が続く今、夏の風物詩をもう一度見直してみては? 【小国綾子 写真も】 | |
| 癒しの蚊帳 多機能魅力 人気復活? | |
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■クーラーを和らげ 寝具店「菊屋」(静岡県磐田市)は7年前からインターネット上で 蚊帳の販売をはじめた。 それ以前は近所に3〜4張り出る程度だったが、昨年は約600張り、 今年はすでに1000張りを超えた。 「最近は「クーラーの直接風をやわらげたい」 「殺虫剤はアトピー 肌に心配」などの理由で買う人が増えている。 蚊帳の肌合いに癒される。と言う人もいます・」と三島治社長(46)。 ワンタッチで開く一人用の蚊帳やアウトドア用のもあるが、売れ筋は 高級感のある数万円の麻製。 三島社長は「お客さんの平均年齢は36歳。蚊帳の懐かしい記憶が かろうじて残る世代です。 親になると子供に日本の伝統を伝えたくなるのかも」 |
■インテリア商品 東急ハンズ新宿店でも今年は例年よりも早く8月3日まで に120張りを完売した。同店の売れ筋は生成り色のインド 綿製(5800円)。10代後半〜30代の女性が部屋をアジア 風に飾るインテリアとして使っているらしい。 蚊帳は欧州にも広がっている。タイとオランダ資本の合弁 企業「サイアムダッチ・モスキート・ネッティング社」(本社 バンコク市)製の柔らかいレース地のような円すい形の 蚊帳=写真=は天がい風の外観がインテリア商品として 人気。欧州向けに現在、10年前の4倍にあたる200万張り を輸出している。 |
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■マラリア対策 世界的にみると蚊帳の最大の目的はマラリア対策だ。殺虫剤を染 めこました同社の蚊帳も年間約400万張りがアジア・アフリカ諸国に ユニセフなどを通して送られている。 マラリアでは毎年、世界で3億〜5億人が感染し、多くの子供らが 命を落としている。日本政府も大量の蚊帳や殺虫剤を援助している。 一方、援助国もまた蚊に悩まされている。米国ではひどい場合には 脳炎などを引き起こす西ナイルウイルスの感染がこの夏も社会問題 になった。 日本ではドブで発生するアカイエカが減る一方、プラスチックの 水たまりなどで発生するヒトスジシマカが増えている。ともに西ナイル ウイルスを媒介すす。 国立感染症研究所昆虫医科学部の小林睦生部長は「温暖化で 蚊の幼虫の成長サイクルが短縮され、特に9月の蚊は増えた。 海外からウイルスが持ち込まれれば爆発的な感染もある」と危ぶむ・。 「消え行く風物詩」として懐かしまれる蚊帳だが、本来の目的で復活 する日も近いかも・・・・ |
![]() アウトドア兼用の蚊帳 サイアムダッチ社製 |