朝日新聞 8月2日(夕刊) マリオン掲載

蚊帳が伝統回帰真夏の涼として紹介されました。私どもの蚊帳も記事ならびに、マリオンHPに掲載されました。
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2001年8月2日(木曜)更新

 窓辺の風鈴、寝室の蚊帳、扇子片手に夕涼み……。猛暑が続く今年、日本の伝統的な夏グッズが復活の兆しだ。けれど、ただのリバイバルじゃない。伝統に回帰しながらも、現代風にアレンジされている。懐かしのグッズで、健康的に夏を乗り切ってみませんか。



東京・渋谷ロフトの「夏の風物詩コーナー」


「和」に心の安らぎ/現代風アレンジも

 梅雨らしい梅雨もないまま、猛暑へと突入した今年。あまりの暑さに、エアコンや夏物衣料などの季節商品が売れに売れている。一方で、日本の夏を彩ったかつての定番がこのところ、勢いを盛り返している。
 「和の涼しげなインテリアや小物が、去年に比べて動いているんですよ。いぐさのクッションやまくら、マットなどは、倍以上の売れ行きです」と渋谷ロフトの店舗バイヤー鈴木武さん(42)。「洋風の生活の中に和をうまく採り入れることで、涼しさと心の安らぎを得ているんじゃないでしょうか」

 渋谷ロフトでは夏場、江戸風鈴などの「夏の風物詩」コーナーを設けている。今年は梅雨明けが早かった分、扇子の売れ行きも例年より1、2週間早くピークを迎えた。平日は130〜150本、休日ともなると400本近くが売れる、という。昨年あたりからは、紫外線を抑える「UVカット扇子」などのユニークな商品も登場した。店内では、若い女性やカップルたちが入れ替わり立ち替わり、風鈴や扇子を選んでいく。

    

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風鈴のガラスを吹く東京・江戸川
「篠原風鈴本舗」の篠原儀治さん
 「確かに、風鈴の売れ行きもいいみたいですよ。でも最近は、ご近所の人から『風鈴がうるさい!』なんて言われる時代になりましたからねえ」
 江戸風鈴を、東京都江戸川区の工房で手作りしている「篠原風鈴本舗」の篠原儀治さん(76)は、苦笑する。鉄製や輸入物に押されて同業者は次々、店を畳み、江戸風鈴を製造しているのは、篠原さんだけになった。が、時勢に負けてはいない。

 今年の5月から、部屋の中で楽しめる「卓上の鈴」を、作り始めた。手作りの木の台につるされた直径5センチほどのかわいらしい風鈴。これを室内に置けば、邪魔にならずに、目にも涼しいというわけだ。
 「風鈴のイヤリングなんかも作ったんですよ」。篠原さんは、伝統の中に新しさを採り入れている。

 かつてどこの家にもあった蚊帳を作っている業者は、国内でもほんのわずかしか残っていない。静岡県磐田市で蚊帳を製造販売している「菊屋」の経営者三島治さん(45)は、その一人。6年前からインターネット販売を始めた。
 「インターネットで販売を始めてから、毎年、倍々で注文が増えています。麻100%のオリジナルの蚊帳を作ったら、みなさん、『洋室にもベッドにも合う』と言ってくださって」。今年は、カタログによる通信販売も始めた。

    

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東京都葛飾区にある江戸切り子の工房「おじま」では、洋風のサンドブラストなど新しい技法を採り入れたガラス器を切り子とともに作っている。浅草ののれん専門店「べんがら」の麻のれんは、モダンなデザインが、若い男性客や外国人客にも好評。今夏は例年の2、3倍も売れている、という。

 浴衣の世界では、またひと味違った流れが起きているようだ。
 「浴衣ブームというのは、実は十数年前が始まりでした。急に若い人や着物になじみのない方が、浴衣をお召しになるようになったんです」

東京・日本橋「竺仙」の浴衣地
 天保13(1842)年創業の浴衣の老舗(しにせ)「竺仙」の小川文男社長(54)が教えてくれた。
 「中心は1万円で一式そろえるくらいの感覚の方々でした。それが今年、本来の浴衣へ、本物を知りたい、と変わってきた。派手になっていた柄も、紺と白を中心にした涼しげな柄へとブームが移っています」
 秋草などの古典柄や、4万円前後の高級浴衣もよく出るそうだ。

 日本の夏の風情は残しつつ、現代の生活スタイルに合わせて涼をとる。どこか懐かしく小粋(こいき)な夏の風物詩がよみがえった。

 

(2001年8月2日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

 

ミニチュア枯山水
 ●渋谷ロフト(雑貨、インテリア)
東京都渋谷区宇田川町21の1(渋谷駅、TEL03・3462・3807、http://www.loft.co.jp/)。1階の「夏の風物詩」コーナーに、風鈴、扇子、うちわ、手ぬぐいなど。3階の「庵(あん)」では、和の家具やインテリア小物が充実。ユニークな「ミニチュア枯山水」(写真、4800円から)も人気。

 ●篠原風鈴本舗(江戸風鈴)
東京都江戸川区南篠崎町4の22の5(地下鉄瑞江駅、TEL03・3670・2512、http://www.edofurin.com/)。2代目の篠原儀治さんと、息子で3代目の裕さんが構える「江戸風鈴」の工房。デパートなどで買えるが、店頭でも分けてもらえる。「卓上の鈴」は1800円。8日(水)〜15日(水)は、新宿高島屋で実演販売をする。

 ●菊屋(蚊帳、寝具)
静岡県磐田市中泉243(JR東海道線磐田駅、TEL0538・35・1666、http://www.anmin.com/)。蚊帳を作っている寝具店。店頭での販売のほかに、インターネットやカタログ請求による通信販売もしている。人気の生成りの蚊帳は2万4000円から。

東京・葛飾「おじま」の切り子

 ●おじま(江戸切り子)
浅草店:東京都台東区浅草2の3の2(浅草駅、TEL03・5828・3996)▽工房=東京都葛飾区青戸7の25の2(京成線青砥駅、TEL03・3690・8866)。5000円前後のものが若者に人気。工房では教室も開いている。

 ●べんがら(のれん)
東京都台東区浅草1の35の6(浅草駅、TEL03・3841・6613、http://www.bekkoame.ne.jp/ro/bengara/)。オリジナルののれんを販売。夏場の人気は麻をあい染めしたのれん。シンプルでインテリアと合わせやすいものが売れているという。カタログやインターネットによる通信販売も。

 ●竺仙(浴衣)
東京都中央区日本橋小舟町2の3(地下鉄人形町駅、TEL03・5202・0991、http://www.chikusen.co.jp/)。創業約160年の浴衣の老舗。汗を吸収しやすい、古典柄・白地の反物は1万6000円から。綿紬(めんつむぎ)1万9000円、綿絽(めんろ)2万6000円などは、夏の着物として外出着にすることもできる。今年人気の男物の浴衣地も豊富にそろう。

 ●文扇堂(扇子)
東京都台東区浅草1の20の2(浅草駅、TEL03・3841・0088)。舞扇中心の扇子専門店。夏場は普段使いの女性用、男性用も500柄前後と豊富にそろう。柿渋(かきしぶ)を塗った渋扇がおすすめ。扇面に名前を入れるサービスも。

 ●雲錦堂 深津扇子店(扇子)
東京都荒川区荒川4の31の8(TEL03・3807・6886)。江戸末期から続く扇子の老舗。すべての工程を手作りで行い、価格は5000円から。カタログによる通信販売。オリジナル扇子の注文も受ける。

 ●べにや民芸店
東京都渋谷区渋谷2の16の8(渋谷駅、TEL03・3400・8084)。創業40年の民芸品店。和のインテリア、陶磁器、ガラス器、雑貨など。風鈴、花むしろ、ガマ円座や昔懐かしい竹の縁台1万7000円が涼しげ。

 ●BLUE&WHITE(布製品、雑貨)
東京都港区麻布十番2の9の2(地下鉄麻布十番駅、TEL03・3451・0537)。外国人オーナーが約25年前にオープン。浴衣や手ぬぐい、ふろしきなど日本の美しい布を生かした商品が並ぶ。外国人のお客も多く、パッチワークキルトの材料として使われることもあるそうだ。

 

(2001年8月2日朝日新聞東京本社夕刊のマリオン紙面から)

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