|
みずほ総合研究所発行 Fole 7月号に掲載 |
ぐっすり快眠を誘う 夏に涼しげ なつかしの蚊帳 |
||
|
オンラインヒットパレード ネットで売れている名品・逸品
|
ー 蚊帳の菊屋 −
小学校に入って、初めてひとりで田舎へ帰った日。トンボ捕り、線香花火、縁側でスイカをかじり、ひとしき り遊んで眠くなると、座敷に連れられて。部屋の真ん中、 半は透き通ったスクリーンの奥に、ぼんやりと布団が浮 かび上がる。そう、そこには鴨居から吊られた蚊帳があ った。なんだか神聖な空間のような、外敵から守ってく れるバリアのような、そんな雰囲気につられるように、 スーツと中へ引き込まれる。一人で寝るのが怖いから、 うちわ しばらくおばあちゃんが添い寝して団扇であおいでくれ る。やかましいほどの虫の青も、いつしか子寺唄にかわ り、知らずにぐっすりと寝入ってしまう。 日本から消えかけた懐かしの風景のひとつ。死滅しか けた、ともいわれていた蚊帳が、いまネットで飛ぶよう に売れているという。日本一蚊帳を売る男、寝具店・菊 屋の社長、三島おさむ氏、その人の力である。 小さな子どもがいるから殺虫剤や蚊取り器を使いたく ない、部屋を閉め切ってエアコンを一晩中使うのは避け たい、そんなニーズが押し入れの奥に埋もれていた蚊帳 を表舞台に引き戻した。蚊帳を使えばいっさい簗割を使 うことなく安心して眠れるし、窓をあけて自然の風を呼 び込める。たとえエアコンをつけたとしても、蚊帳を通 して風がソフトになるから体にも優しい。純肺で編まれ たものなら、湿気を吸い取ってくれるので、じめじめし た暑苦しい夜を過ごさないでもすむ。 菊屋では、純麻編みの伝統的なタイブから、洋室のベ ッド用、アウトドア用など、さまざまなタイブを用意し ている。なかでも最近ヒットしているのが、菊屋オリジ ナル、底地付き六面張りのムカデ用。いろんな用途に広 がっている。 「もともと蚊帳は虫を避けるものでしたが、快適な眠り を助ける安眠クッズとして注目されています。今では“モ スキート・ネット”ではなく“スリーピング・ネット′’と 呼んだほうがぴったりきますね。先代から傾きかけた店 を引き継いだとき、どうなることかと思いましたが、(イ ンター)ネットでネット(蚊帳)がよみがえり、お店も 復活しました」(三島氏) さあ、かしこまらずに、どうですか7 あなたも「ど うぞ蚊帳の中へ」。 |