ヘンプ100%カラミ織【令和の蚊帳】
古くて新しいヘンプの蚊帳
磐田市の寝具店・菊屋は1951年の創業以来、蚊帳を取り扱ってきました。
菊屋の蚊帳の 守・破・離
【守】
昭和の時代 古式ゆかしきみどり(萌黄)やブルー(浅黄)、そして白裾ぼかしの蚊帳を販売してきました。
それらはタテ糸とヨコ糸を糊で固めた蚊帳でお洗濯をすることはタブーとされていました。
この昔ながらの平織の蚊帳=昭和の蚊帳を取り扱ってきました。
その後、菊屋は1996年5月に安眠をテーマにしたホームページ www.anmin.com を開設、翌1997年より、ふとんや枕だけでなく、お客様のご要望に合わせた、ネット上でも蚊帳の販売を始めました。
【破】
インターネットの向こうから「麻製で洗える蚊帳が欲しい」というお客様の要望に応えて、カラミ織の蚊帳生地を開発しました。
この古くて新しい、洗濯も可能な蚊帳を菊屋オリジナル・カラミ織の蚊帳=平成の蚊帳を製造販売するようになりました。
このように、昭和から平成へ、平成から令和へと、菊屋も蚊帳も進化してきました。
【離】
菊屋ならではのカラミ織でヘンプの蚊帳ができました。その誕生過程は次の通りです。
麻でありながら指定外繊維のヘンプ
麻といってもいろいろな種類があります。
わが国では1万年以上も前の縄文時代から、人々に使われてきた麻ですが、その発掘の経緯についてはのちに触れることとして、昭和37年に制定された家庭用品品質表示法という法律で、「大麻」は「指定外繊維」となり、蚊帳の外に追い出されてしまったのです。
この家庭用品品質表示法が戦前からあったなら、大麻は苧麻(ラミー)よりも早く、縄文時代から愛用されていた立派な繊維なのだから、一番に麻100%の表示を許されたであろうに、現在、「麻」の表示を許されているのは20種類ほどある麻の中で、苧麻(ラミー)と亜麻(リネン)だけなのです。
戦後、アメリカGHQによる占領政策のもと、大(たい)麻(ま)取締法によって、栽培することはもちろん、所持していても罰せられることになっています。
ところが2003年、菊屋のもとへ、所持するだけでも逮捕されてしまう大麻で大麻で蚊帳を作れという依頼がきたのでした。それもアメリカで生まれた、アースデーというイベントへの蚊帳の出展依頼でした。
かくして、指定外繊維の大麻を使ったヘンプの蚊帳を、翌2004年のアースデーに合わせて作るようになったのです。
アースデーでヘンプの蚊帳が復活
アースデーとは文字通り「地球の日」のことです。
環境問題に取り組むために毎年 4月22日を「地球の日=アースデー」と定め、世界各地でさまざまなイベントが開催されています。
NPO法人・ヘンプ普及協会から、日本では認められない指定外繊維である大麻(ヘンプ)の蚊帳を、アースデー東京2004の会場である代々木公園にぜひ吊って欲しいとの依頼でした。このようにして私は蚊帳に連れられてアースデーに参加することにりました。
もう少し詳しく「アースデー」とは
地球のために行動する日、人間が地球に感謝し、美しい地球を守る意識を共有する日とされています。
1970年にG・ネルソン上院議員によって誕生したアースデーには、大人から子供まで、国境・民族・信条・政党・宗派を超えて多くの市民が参加し、現在世界184の国と地域の約5000箇所で行われている、世界最大の環境フェスティバルともいえるものです。
日本で最初の歩行者天国が銀座に誕生したのも、アメリカのアースデーがきっかけだったようです。そして、日本でのアースデーがスタートしたのは、1990年からということで、次第に地球を愛する輪が広がり、2001年の東京では、新たに実行委員長として小説家でナチュラリストの故・C・W・ニコル氏を迎え、代々木公園と明治神宮、新宿パークタワーを会場に、さまざまなイベントが催されました。
2004年 アースデーにヘンプの蚊帳が誕生
菊屋のヘンプの蚊帳は、2004年4月の代々木公園や明治神宮を中心に開催された「地球環境に取り組む運動」アースデーの蚊帳の中で誕生したのでした。
もともと「蚊帳」そのものは、人にも地球にも虫たちにまでやさしいエコな道具です。また、いたずらに虫たちを殺すことなく身を守る、平和の象徴ともいえる安心と安眠の道具でもあります。
もっとも菊屋が蚊帳を取り扱っていなかったら、アースデーや平和のためのイベントに積極的に参加することもなかったでありましょうが……。
難産だったヘンプ100%カラミ織の蚊帳生地
ところが、実は、たいへんだったのです。
菊屋は、この2004年のアースデーに向けて、大麻(ヘンプ)の蚊帳をとの依頼に、二つ返事でなんとかしますと答えてしまったのでした。
当時、麻の分量を最大限にした蚊帳の最高形態=菊紋和(きくもんなごみ)蚊帳を完成したばかりで、有頂天になっていたのでしょう。
それまでも、失敗に失敗を重ね、たどり着いた麻の蚊帳のタテ糸のラミー(苧麻)をヘンプ(大麻)に替えれば、ヘンプの蚊帳は簡単にできるだろうと安易に考え、やす請け合いをしたのが間違いでした。
たて糸をヘンプにするのは至難の業
タテ糸のヘンプは、織り上げていく過程ですぐに切れてしまうのです。麻糸のラミーを制したのだから、ヘンプについてもうまくいくに違いないと判断したのだが、まったく想定外の出来事に慄きました。
それでも時間とコストを費やして、なんとかアースデーに出展するだけの蚊帳生地を織り上げたのでしたが、その後の安定的な供給にはさらに時間がかかったのです。
今となって、菊屋と三島自身の穢れを祓う大麻だったと思い返しています。
【温故知新】ヘンプの蚊帳で Go To スリープ
こうして2004年のアースデーで出来上がった大麻・ヘンプの蚊帳は、翌2005年、愛知で開催された愛・地球博にもお呼びがかかり、「温故知新 暑い夏を涼しく過ごす!」というテーマのもと、蚊帳だけでなく、ヘンプのシーツ、布団などの寝具も紹介されました。
安眠をテーマのホームページ・anmin.comを立ち上げ「共生・共眠」を掲げて参りましたが、このヘンプの蚊帳の生みの苦しみを通して、お祓いと洗礼を受け、新しい時代の眠り方、Go To Bed から Go To SLEEPへと 時代の要請に合った寝具の提供が可能になったのです。ありがたいことです。
平成から令和の時代へ蚊帳の進化
はじめてヘンプの蚊帳づくりに着手して15年の歳月が流れ、平成から、令和へ 人類は眠りに目覚める時代を迎えました。
日本では東北大震災、熊本地震から、巨大台風、ゲリラ豪雨など自然災害に遭遇しながら、地球や自然に目を向ける時を迎えています。
さらに2020年・令和の子年、新型コロナのパンデミックは大自然からの戒め
まさに
人盛んなりて 天に勝ち 天定まりて 人に勝つ
の理の如く、眠りについても眠るのではなく、眠らされている存在であり、共生すると同じように、共眠が大切だと気づく時代を迎えました。
菊屋はコロナショックに際して、この蚊帳つくりで培った「令和の安眠素材」ともいえるヘンプで立ち上がりました。
麻・ヘンプの蚊帳の不思議
産みの苦しみを越えて出来上がったヘンプ100%カラミ織の蚊帳生地を求めに、いろいろな方が菊屋にやって来ます。
そのお一人に、倭会の倭瑠七先生がいらっしゃいます。倭瑠七先生は1300年もの歴史のある倭巫女舞(やまとみこまい)の会長さまです。
このヘンプの蚊帳生地が出来たことで、戦後久しく使えなかった麻布で出来た衣装を身に纏い、先人と同様の舞が舞えたことを大変喜ばれています。
古代の巫女(みこ)舞(まい)の振りにありますところの、天のエネルギーを直接受け取れる感覚、そしてそのエネルギーを地上に流す感覚も実感できるそうです。
ヘンプで Go To スリープ 続可能な眠りのサイクルを
麻・ヘンプの蚊帳生地で仕切られた聖なる蚊帳空間で、人々の「健康で快適な眠り」のお手伝いができはずです。
この古くて新しい「令和の蚊帳」でより良い眠りを!
今、多くの人は 自分の眠りに満足していません。
それを解決するのには ただ、Go to bed と床へ行って、眠りに落ちるのを待つのではなく、古くて新しい「安眠素材」= おお麻・ヘンプの 掛・敷・枕 を用いて積極的に Go To SLEEP してみましょう。
ヘンプの安眠パッケージを用意しました
どうぞ、ヘンプの蚊帳の中へ 菊屋のヘンプの蚊帳で安眠パッケージもご用意いたしました。