ヘンプについて
安眠素材としてのヘンプ
麻・ヘンプは1万年前の縄文の時代から日本人の生活になじみの深い植物です。
無農薬でも成長が早く、荒れた土地をも力強い根が土を肥やす自然にやさしい植物です。
戦後は栽培が禁止されましたが、我が国において一般的な麻というと、リネン(亜麻)やラミー(苧麻)でなくこのヘンプ(大麻)を指してました。
また「穢れを祓う」聖なる植物として衣類からしめ縄などの神事にも使われてきました。
そして寝苦しい日本の夏を快適にした近江商人によって開発された蚊帳の素材はこのヘンプでありました。
菊屋の蚊帳づくりも、当初はラミーとリネンで織り上げていましたが、2004年のアースデー、翌2005年の愛・地球博での出店依頼を受け、ヘンプの糸で蚊帳づくりに挑戦しました。かくして、戦後、しばらくの間、その姿を消していた【ヘンプの蚊帳】は蘇ったのです。
麻の糸 ラミー・リネン・ヘンプ
麻には主にラミー(苧麻)、リネン(亜麻)、ヘンプ(大麻)の三種類があります。
その中でも、ヘンプは多孔性繊維であるため、通気性と熱伝導性が高く、「夏は涼しく、冬暖かい」をかなえる、とても不思議な繊維で、吸湿・発散性に優れているので、適度な湿度を保ちながらも、蒸れることがありません。
また、ラミーやリネンよりも柔らかく肌に馴染む素材で肌着にも適しています。
さらに、薬品加工を施すことなく繊維そのものの微細孔に酵素がたくさん含まれ嫌気性細菌を生息させないため抗菌・防臭作用を有しています。
コロナ渦にあって、この自然の抗菌・消臭作用が「ヘンプマスク」を他に類をみない「高機能マスク」としました。
植物としての麻・ヘンプの性質
「麻の中の蓬(よもぎ)」ということわざをご存知ですか?
曲がりやすい蓬も、真っ直ぐに生長する麻の中に植えれば その影響を受けて真っ直ぐに伸びることから、「善人に交われば、自ずと善人になってゆく」という意味です。
そして、ここででてくる麻とは「ヘンプ」のことを指しています。
おお麻(ヘンプ)は、桜の咲く時期に種をまくと、3か月ほどで3~4メートルに成長します。<忍者・猿飛佐助が、この伸びていく麻と合わせる跳躍力を身に付けさせられたとのお話もあります。>
天に向かってまっすぐに伸びてゆくその姿はとても清々しく、大きく育ったおお麻(ヘンプ)の畑を見ると、近くにいるだけで心が洗われるような気持ちになります。
祈りが込められた麻・ヘンプの性質
人々は昔からそんなおお麻(ヘンプ)の姿を見て、我が子の健やかな成長を願い、赤ちゃんには麻柄の産着を着せました。
麻には、「すくすくと真っ直ぐに育ってほしい」という、今も昔も変わらない親の深い願いと愛情があらわれている、というわけですね。
麻沙子ちゃん、麻美ちゃん、麻由美ちゃん・・・等々、すくすくと育ってほしいと願いを込めて「麻」をつけたお名前がいっぱいあります。
麻柄
繊維としての麻・ヘンプの特性
麻(ヘンプ)が日本人に大切にされてきた大きな理由は他にもあります。
それは、繊維としてとても優れている、という点です。
・湿気を素早く吸って外に逃がすサラッとさわやか効果。
・いつでも清潔を保とうとする抗菌効果。
・いやな臭いを抑える消臭効果。
・抜群の熱伝導性で冬暖かく、夏は涼しい
などなど…。そして極めつけは「ヘンプの紫外線防止効果!」でした。
麻の中でも、特におお麻(ヘンプ)はその効果が高いとされています。人にも地球にもやさしい植物繊維です。
コロナ渦では、このヘンプの機能がマスクに最適だと大人気を博しました。
菊屋のヘンプは 蚊帳が始まり
「温故知新」地球にやさしい蚊帳づくり
安眠をテーマに蚊帳づくりをしてきた菊屋が、初めてヘンプの蚊帳をつくったのが、アースデー東京2004への出展要請からでした。
アースデーとは、世界規模で環境問題に取り組むイベントです。
その会場で、「おお麻(ヘンプ)の蚊帳を吊って欲しい」ということでした。
地球環境の見直しのために出来ることを考えたとき、電気も薬も使わないで気持ちよく眠ることができる「蚊帳」。
そして、地球に負担をかけない自然な素材であり、持続可能な多くの可能性を秘めたヘンプが注目されたのでした。
その翌年の2005年、愛・地球博への出展要請もあり、人と地球にやさしい道具として古くて新しい、ヘンプの蚊帳が復活しました。
ヘンプで丸洗い可能なカラミ織の蚊帳
「カラミ織」とは、縦糸を絡ませながら横糸を固定していく織り方のことで、のりを使わなくても目がずれにくくなっています。従来の「平織の蚊帳」ではタブーとされていた丸洗いができる新しい蚊帳としてヘンプの蚊帳は復活しました。
相手を殺さず身を守る 平和の象徴である蚊帳、聖なる安眠空間を構築するヘンプの蚊帳は加えて、安眠の象徴です。<昭和・平成・令和>の各時代を<守・破・離>と、古くて新しい菊屋の蚊帳づくりの歴史の中で、ヘンプの蚊帳は「令和の蚊帳」と位置付けています。
ヘンプは令和な安眠素材
1万年前の縄文の時代から日本人の生活になじみの深いおお麻・ヘンプは、三つの「S」に見合った自然素材です。
「3つのS」とは、Soil(土) Soul(魂) Society(社会)です。
ヘンプは「自然環境」にもいいです。無農薬で成長も早く、2万件を超すほどのいろいろな用途があり、「社会的な活躍」の場面もいっぱいあります。また、おお麻・ヘンプは、神道においても「心のよりどころ」でもあります。
ヘンプは日本人の心のよりどころ
大麻(ヘンプ)の持つ不思議な力は長い歴史の中で、人々の間に魔力性、呪術性、さらには神秘性、神聖性を喚起するものとして崇められてきました。
伊勢神宮の「神宮大麻」は天照大神の化身として、日本全国の神社を通して各家庭に販売されています。(令和2年5月より800円が1,00円に値上り)
1300年の歴史を持つ倭巫女舞さまは、弊社のヘンプの蚊帳生地で作られた衣装を着て全国各地の著名神社で奉納舞をされています。(上の写真)
戦後、ヘンプは麻100%とも表示できない「指定外繊維(現在は植物繊維)」と、蚊帳の外へ追い出されてしまいましたが、自然環境にやさしい植物というよりも、日本人の精神的な骨格(魂)の一部となっているようです。
麻は日本人の心のよりどころ(詳しくはこちら)
糸の確保から布へ 平織・カラミ織
2004年のヘンプでの蚊帳づくり当初から、弊社は高級感のあるフランス・ノルマンディ産の無漂白のヘンプ糸を用いた蚊帳づくりをしてきたましたが、2020年3月からコロナの影響で、フランス産ヘンプ糸の入手が困難になり、2020年の7月には、ついに底をついてしまったのです。
そこで、やむなく中国産のブラックヘンプ糸を用いたのですが、蚊帳としてはフランス産の生成り色のヘンプ糸の方が風合いも良く、これまで通りのカラミ織の蚊帳を提供すべく、お客様にはお待ちいただくことになりました。
逆に中国産のブラックヘンプ糸は、平織りで織り上げて、寝具関連の枕やシーツ、考案中のヘンプパットへの活用が似合いうことも確認できたました。
ともあれ、国産ヘンプが出来るまでは「ヘンプ糸の確保」が菊屋の経営課題として浮上してきたのです。
そこで、思い切って、2020年10月に糸商社さんからフランス産のヘンプ糸を大量(約700kg)を入手・確保し、さらに創業70周年の2021年5月には糸の総輸入元とも契約締結をしたのです。
上に掲げたSoil(土)、Soul(魂)、Society(社会)の「3つのS」を大切にするため「菊屋はヘンプ糸に社運を賭ける」と、覚悟を決めまたのです。
not only 寝具 but aiso some シング
蚊帳づくりから始めたヘンプ糸を寝具だけでなく幅広い麻・ヘンプの活用します。
この麻・ヘンプを素材とした菊屋のヘンプ商品は、その機能に加え、商品の世界観や歴史観、そして弊社が唱え続けてきた「自然と人と眠りを大切にする」ライフスタイルの提供にも繋がっていくと信じて、寝具だけでない幅広い商品ラインアップに挑戦しています。
明治維新からの富国強兵・殖産興業で重要な位置を担い「糸が軍艦に変わる」とまで言われたこの「糸」を大切な経営資源として、菊屋創業100周年に向けた支えとして活用していく所存です。
この確保した麻・ヘンプ糸で、遠州地方特有の「カラミ織」と「平織り」の技術を駆使したモノづくりをしていきます。このヘンプの「糸」が、あなたを安眠と安らぎの世界に導いている姿を、期待し、祈っています。
♪タテの糸はあなた、ヨコの糸は私、織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれません♪。 中島みゆきの「糸」 いい歌ですね!
※ 菊屋のささくれのある糸は「麻・ヘンプ」でした。
ということで、菊屋は創業70周年の節目から、ヘンプ糸で織りなす生地を素材とし、幅広い分野でお役に立てるようがんばります。どうぞ、よろしくお願いします。
ヘンプクロスを無料進呈
先ずは、素材として不思議なチカラを持つヘンプの良さをご体感ください。
菊屋は、蚊帳づくりで復活させた「ヘンプ100%蚊帳生地」で多目的ヘンプクロスを各サイズご用意いたしました。
蚊帳ふきんにするのは少々もったいない気がしますが、ボディタオル、ストール、羽織り、テーブルクロス、タペストリーなど様々な場面にご活用ください。
ヘンプクロス無料進呈
ヘンプの掛・敷・枕で安眠を
令和の安眠素材=ヘンプは高温多湿で寝苦しい日本の夏を快適にしてくれるだけでなく、酷寒の冬の日もやさしい温もりを届けてくれます。
菊屋は寝具専門店として、ヘンプを用いた「地球を大切にする寝具」、「自分を大切にする寝具」、そして「人々とのつながりを大切にする寝具」をご提供しています。
ヘンプの良さを、身近なところからお試しください。
ヘンプ製品をご愛用の白木先生
漢方医で名高い、ぴょんぴょん先生こと白木るい子先生は、長年の菊屋のヘンプの蚊帳のご愛用者であられます。先生曰く、「ヘンプの蚊帳で、気持よく寝られるようになった私。
そんだけでも「どんだけぜいたく?」って思うけど、さらに新しく加わったのが、藍染めのヘンプかやケット。」 菊屋のヘンプ商品についても高く評価していただいております。
ヘンプの知られざる機能について
私の高校の同級生である武庫川女子大学薬学部の平尾哲二教授はNHKの人気番組「ためしてガッテン」に出演し「マスクの紫外線防御効果は非常に心もとない」と結論付けました。一般的なマスクはそうですが、ヘンプには不思議な紫外線防止効果があるのです。
不眠に有効な蚊帳の枕カバー
北海道の赤ひげ先生こと山本馨医師からのヘンプの不思議な安眠効果の便りをいただきました。