「型破りの広告」が全国誌「商業界」に
設立50周年の菊屋の歴史の一コマ。
それは菊屋がホームページを開設する2年前の1994年「商業界・9月号」に掲載された広報に関する考え方、あり方です。若さと行動力で「まちのふとん屋時代」を生きていた姿を発掘しました。
※ 「商業界」は1948年 (昭和23年)に創業した流通小売業を対象とする業界専門誌を発行する出版社でした。須田泰三、船井幸雄、渥美俊一先生と私たち商人の学び舎的存在でした。
迫力SP(セールスプロモーション繁盛店
セールスプロモーションは、さまざまな手法があり、顧客に対するアプローチも一様ではない。
店それぞれに特色のある展開が可能だが、まず、顧客に対するスタンスをきちんと考えることが璽要だ。
その上で、具体的なアプローチ方法を決定する。
もちろん、その際には、経営者が店はこうあるべきだという信念に基づいたものでなくてはならない。
販売促進を、単に売上げ増進や集客アップ策としてとらえるのではなく、店舗を顧客にアビ―ルし、コミュニケーションする手段として考えてみる。
型破りのセール&チラシが好評
店の経営者のパーソナリティが、色濃く反映されているチラシを作っているのが、静岡県磐田市の寝具店「菊屋」
三島社長はなんと自分の婚約が決まった時「婚約発表記念セール」を開催した。
チラシには自分と婚約者の似顔絵と、婚約が決まったメッセージを掲載。
取引先の祝言協賛品を、売り出しアイテムとして訴求し、極めて異例の広告紙面の体裁となっている。
型破りのチラシを作った理由を、三島社長は次のように語る。
「自分が婚約できてうれしかったこと。この喜びを仕事にかけるんだという情熱を伝える。
そして、この幸せを多くの人と分かち合うために『婚約発表記念セール』を打とうと決めたんです。
三島さんは、結婚後、長女が生まれたときも「日本全国めでためでたの誕生祭」を実施し、いずれも大成功を納めた。
店の経営者のプライベートな喜びを、より多くの人に伝えて共に喜びたい。
その純真な思いがセールという形でダイレクトにチラシに表現され、お客には
強烈なインパクトを与えたのである。
結婚や出産という個人的な祝い事を売りに結び付け、店の顧客とコミュニケーションを図る。
セールを行う格好のモチベーションとして活用する着想は独創的だ。
全国から注目を浴びた菊屋のチラシ
三島さんは、このほかにもユニークなセールを行っている。
「シンデレラバーゲン」と銘打ち、朝9時から夜12時までのセールを行う。
朝9時から昼の12時までは商品選択タイム。以後、時間帯でI割引、2割引と
割引率が高くなり、夜10時からは5割引になる。
3割引の時間帯は「思案のしどころタイム」、4割引は「お金の別れ道タイム」など、ユーモアあふれる名前が付いている。
「何とかしなくちやと始めたのですが、チラシを作るのは好きですね。
何もしなくては、お客さんは布団を買ってくれない。
これからは、お客さんとのつながりを大切にして、商品を丁寧に売っていきたいと思います」(三島さん)
同店では、不要の布団を引き取るサービスや、入試シーズンには太宰府天満宮でお札を求めて顧客に実費で配るなど、きめ細かい対応を行っている。
「いつもいろいろと考えています。気持ちと行動が合っていないと上手くいかない。
今後も【菊屋】の存在をお客様に知らしめる努力をしていきたい」
三島さんは出産、進学、就職、結婚、新築などのモチベーションをとらえて
ユニークな企画を打ち出していく考えだ。
まちのふとん屋時代 若さと行動力の菊屋
父の遺した「三島屋ふとん店」を引き継いだ私(=三島治)は若さと行動力で一生懸命に「まちのふとん屋」として地域のみなさまにお役に立ちたいと頑張ってきました。
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