菊屋がタイで学んだこと
タイのバンコクで開催された Hemp Expo 2022 に向けて私たち菊屋は「ヘンプこそ新しい令和の時代の安眠素材だ」と世界中に知らせようと挑みました。
2005年のアースデーと翌2006年の愛・地球博に、ヘンプの蚊帳をつくれと言われるまで、私はヘンプについて何も知りませんでした。
ヘンプの蚊帳
1996年にインターネット上にHPを開設して、菊屋は麻製の蚊帳の製造販売を始めました。その時の麻はラミー(苧麻)とリネン(亜麻)でした。ラミーもリネンもヘンプ(大麻)と同じ麻ですがヘンプは戦後の大麻取締法で栽培はもちろん所持することも許されなくなった麻でした。
大麻=マリファナと直結して、危ない植物だと認識していました。
そのような素材なのに、どうして蚊帳をつくるのだろうかと不思議に思っていました。
そこからヘンプについていろいろと勉強を始めました。
安眠素材としてのヘンプ
ヘンプは無農薬でも成長が早く、荒れた土地をも力強い根が土を肥やす自然にやさしい植物です。
戦後、栽培が禁止されましたが、「穢れを祓う」聖なる植物として、衣類からしめ縄などの神事にも、そして寝苦しい日本の夏を快適にしてきた蚊帳(かや)等に使われてきました。
ヘンプは多孔性繊維であるため、通気性と熱伝導性が高く、「夏は涼しく、冬暖かい」をかなえる、とても不思議な繊維です。
また、吸湿・発散性に優れているので、適度な湿度を保ちながらも、蒸れることがありません。
さらに、抗菌・消臭作用があるので、自然と清潔や健康を保つ助けになります。
これが、「ヘンプ」が古くから四季のある日本人の生活に根付き、愛されてきた繊維である所以ということでしょう。
菊屋のヘンププロダクツ
安眠提供企業を目指す私ども菊屋にとっては格好の素材だと思い、ヘンプの蚊帳づくりを始めたのです。ヘンプ100%の蚊帳生地を織り上げるのは難しかったです。それでも出来上がったヘンプの蚊帳をお使いになったお客様は「別世界のようで、心から癒され、ぐっすりと眠れるようになった」と大変喜んでくれました。
今では菊屋の蚊帳はヘンプの蚊帳。といってもいいでしょう。
その後、そのヘンプならではの素材の特徴を活かして、安眠枕、ケット、敷パット、カバー、シーツなどの安眠寝具、さらにはストール、衣類、カーテン、日傘までのインテリア雑貨までつくるようになりました。
ヘンプエキスポ2022への挑戦
今回のタイ・バンコクでのHemp Expo 2022への出展は蚊帳から始まる「ヘンプで安眠」を世界に知らしめるためだというのが始まりでした。