暮らしの温故知新
「蚊帳」をつるす。
蒸し暑い夏の夜に、やすらぎを呼んでくれます。
幼いころ「雷さんが鳴ったら、おへそを隠して蚊帳の中へ」と、教えられた思い出はありませんか。
麻が電気を通しにくいことから生まれたいいつたえだそう。
昭和の半ばまで、どこの家庭でもみられた蚊帳もクーラーの登場によって、いつしか昔のものとなってしまいました。
ところが最近、再び蚊帳が注目されていると聞きます。その理由は、締め切った部屋でクーラーをかけっぱなしにしたくないから。
また、小さな子どもがいるので殺虫剤を使いたくないから。等々。
エコロジーや健康上の視点から、見直されているようです。
蚊帳の歴史は古く、中国から伝わったものが、奈良時代のころには日本でもつくられるようになったそう。
最初は絹や木綿製だったものが、室町時代に入って、麻素材に。そして涼を呼ぶ寝具として愛され、身分の高い人々の嫁入り道具のひとつとされていたと伝えられます。
ちなみに庶民の暮らしに麻の蚊帳が広まったのは明治になってから。
それまでは「月さすや 紙の蚊帳でも おらが家」という一茶の句の
ように、和紙を張り合わせた蚊帳を使用していたといわれます。
最近では、寝具としてだけでなく、インテリアとしての活用が人気。
明かりを少し落として、クーラーを止め、窓を開け放して、蚊帳の中でくつろぐ。この夏は、そんな夕涼みを楽しんでみませんか。
登場したのは菊屋の蚊帳
上述の記事は、こうべ生協さんの機関紙 【ステーション】の記念すべき創刊250号です。
実際に使われた菊屋のカラミ織の蚊帳がきれいに紹介されています。
写真も文章もありがたいくらいにきれいでしたのでご紹介させていただきます。