本物ふとん40年ぶりの復活

「本物ふとん」約40年ぶり復活

菊紋和 ヘンプ本物ふとん

 「寝具は人の幸せを左右します」「人間回復の布団です」――。約40年前、磐田市中泉の寝具店「菊屋」(当時は三島屋)がこんな宣伝文句で販売した「本物ふとん」。丈夫な綿を詰めた伝統的な布団を2代目店主の三島治さんが復活させ、販売を始めた。

三島屋は1951年、治さんの父、昇さん(故人)が開いた。昇さんは浜松市に能力開発研究所を設け、「菊を見事に咲かせるには土作りが大事。人間も毎日の生活に感謝し、ゆったりと眠れば個性が花開く」と冊子や講演で説いていたという。

高度経済成長期、「ふっくら、柔らかい」という化学繊維の敷布団がはやり始めた。対して昇さんは「寝姿勢を保ち、蒸れない敷布団こそ安眠できる」が持論。73年ごろ、インドのアッサム産の太くて丈夫な綿を詰めた敷布団「本物ふとん」を売り始めた。

当時の国鉄の観光キャンペーン「ディスカバー・ジャパン」にちなみ、「ディスカバー・スリープ」と銘打った。どれだけ売れたか、治さんは知らない。だが「がむしゃらに働くだけでなく、人生の根っこにあたる睡眠の大切さに気づいてほしい」という昇さんの思いにぴったり合うフレーズだった。

三島やふとん店時代の宣伝テープ

 

78年、昇さんは菊の土作りにちなみ、店名を「菊屋」に変え、その3日後に亡くなった。48歳だった。

時が流れて近年。「低反発」「高反発」「マイナスイオン」「温熱」など様々な特色を掲げた敷布団がホームセンターや家具店などで売られている。治さんは「消費者が情報に振り回されているようだ」と感じた。

そこで父が唱えた寝具の原点に戻ろうと、約40年ぶりに「本物ふとん」を復活することにした。
汗の吸湿が良いインドのオーガニックコットンを詰め物として新たに加えた。菊屋ではヘンプ麻を使った独自の蚊帳を製造販売しており、そのノウハウを生かした。

三島さんは「父の精神を受け継ぎました。今日に感謝し、明日に希望が持てるよう、人生を支える敷布団です。ストレスが多い現代こそ、ぐっすりやすんでほしい」と話している。

掲載記事 朝日新聞

菊屋の本物ふとん復活

朝日新聞 2015年5月13日 (静岡版)

 

菊屋の本物ふとん復活
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