風を柔らかく運ぶ不思議なチカラ
昔の子どもはカミナリが鳴ると、 おへそを隠して蚊帳に隠れていました。
今でこそ、麻素材には電磁波を 防ぐ効果があるなんていう話をちらほら聞きます(真偽のほとは存じ上 げません)。
でも昔の人が、カミナリが落ちたときの電磁波を気にして 蚊帳に逃げ込んだということはないでしょう。
こんなスタイルで 蚊帳が蘇ったのです
そんな蚊帳もすっかり生産数が減 り、日本の夏から消えてしまうかと 思っていたら、21世紀にして復活の 兆しあり?です。
ちょつとお洒落な 蚊帳、「KACOON」というのを見 つけてきました。
幅広いデザインワークを繰り広げる日建スペースデザインと蚊帳の老舗、菊屋が強力クツグを組んだこのモダンなプロダクト。
一辺270センチの正四面体、本麻仕様。折りたたんでパックに収納できるお手軽さも斬新です。
一歩中へ足を踏み入れれば、あの「プ~ン」のわずらわしさから逃れられるばかりでなく、 瞬時に自分だけの小宇宙を形成。まるで繭に包まれた蚕さながら。部屋に置けば、いつもの見飽きた風景が-変すること必至。
中にクッションを敷き、ひとり、うつら うつらと寝るのもよし。
本来、麻でできた蚊帳は、自然の 風を柔らかく運んでくれる不思議な力を持っているそうな。今年の夏は エアコンいらず。風を感じる蚊帳暮らしを はじめてみては。
文:山臼圭司郎さん 「助六」「和」の手引きマガジン 取材